第16章 HEAVEN クロス切裏
次に目が覚めると、朝陽はベッド全体を照らしていた。
「ん…」
日光に目をすぼめてから、ゆっくりと開いていき…視界を慣らす。
(此処は…)
見慣れない豪奢な造りの部屋。
自分は何故かそのベッドで、裸だった…
ズキン…と、腰を貫くような痛みが走り、それはを完全なる覚醒へ導いた。
(そうだった…私はクロス様を)
見つけて、此処で愛し合った…
夢うつつで確かだったかはわからないが、クロスはもうこの部屋にはいない…
ふと、あの時クロスが自分に何か握らせていたのを思い出した。
しっかりと何かを握っていた手を緩め、視界を手元に移す。
それは
一輪の向日葵(ひまわり)だった。
朝陽に照らされて、それは燃えるようにその存在を象徴していた。
は目を見開いた。
そして、花好きの自分が知っているその花の意味に、
堪え切れず、涙を溢れさせた。
「クロス様…っ」