第13章 One Memory ラビ切裏
ラビは全て読み終えた後、膝を付いた。
「は…馬鹿さ。」
あんなに酷い事されたのに、まだ自分を想ってくれている。
むしろ謝るのはこちらの方なのに
でも、1番馬鹿なのは…
「俺、さ…」
どうして彼女のように、一途に愛してあげられなかった?
どうして道を外してしまった?
こんなにも――
アイシテイタノニ…
「うぅっ…」
はいつでも自分の元に来てくれていた。
なのにどうして突き放した?
苦しんでいたのに、手を差し延べてやらなかった?
ガンッと、床に拳を何度も打ち付けた。
今更になって、後悔の念が押し寄せてくる。
好きだった。
大好きだった…!
でももう、を抱きしめられない。
…君はもういない
届かぬ辛さ、初めて知った
今まで無茶苦茶に傷つけていた、一番安心できた場所…
君はもういない…
もう一度会いたい
愛したい!
神様、どうか――…
「は何が好きなんさ?」
「私…?私は、苺かな?ラビは?」
「俺はが一番好きさ♪」
あの頃に、時間を戻して…
「好きだ……好きだ…!」
どれだけ声を枯らしたって、
きっとお前は帰って来ないんさ…
だってさ、俺はお前を傷つけ過ぎたから…
君だけを愛していたよ……
…End