第11章 INNOCENT SORROW ラビ切甘裏
「?」
驚いて目を見開くと、そこにはいつもと変わらず優しい笑みを浮かべたがいた。
「私の方こそごめんね。隠してたりして…
ラビだけのせいじゃないわ」
そう言ってラビの手を取り、自分のと重ねる。
「これで私達、もっとお互いの事知れたね…」
「…」
「私もラビも…ヤキモチ焼きなんだね…」
どこか照れ臭そうに笑うをラビは本当に愛しく思った。
は手を離すと、まっすぐにラビを見つめた。
「今度は優しくしてね…?」
それは切実な願い。
そしてラビの中の良心を苦しめた。
どれくらいの苦痛からこの少女を救えただろうか?
今からでも、遅くはないのだろうか…
ラビは深く頷き、再び指を絡める。
「愛してる…」
そして、優しく唇を重ねた。