第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
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「ちっ…あの二人、何やってやがるっ…式が始まるだろうがっ」
「へぇ…なんだかんだ言って~やっぱユウ、アレンにも来てほしいんさ~」
「テメェ、今日だけ特別とか思うんじゃねぇぞ」
部屋の飾りの鹿の角に手を掛けて神田は言った。
「じょ、冗談さっ…今日くらい笑ってさ~」
「ちっ…とトワの前では自然体だ」
「それにしても、本当に、リナリー…どうしたんだろう…」
「新郎様、お時間です。御支度を」
運営側の女性が部屋を訪ね、そう知らせた。
「......わかった。じゃあ......」
神田はの頭にキスを落とした。
「後でな」
「うんっ」
「ほんじゃさっヴァージンロードこけんなさ?」
トワを抱き抱えたラビも神田の後を追って部屋を後にした。
「もうっ…」
弾む胸と同時に、少しの不安が渦巻いた。
「リナリー、アレン君と何かあったのかな…」
「花嫁様、お時間です」