第2章 Serenade 神田 切甘裏 【三日月の続編】
夢を見た。
あなたが帰ってくる夢…
もうすぐ、それは現実になるね
早く、
会いたいよ―…
「今日で61日……二ヶ月…」
小さく息をついて手帳を閉じるの髪は、あれからゆるやかに伸び、セミロング程の長さになった。
「今日だね、神田が帰って来るの」
「うんやっと……二ヶ月も密林の中だなんて大変だっただろうね」
「きっとすごく疲れて帰って来ると思うから、が温かく迎えてあげてね」
「うん…!」
はこの日が来るのをどれだけ待ち侘びたか…
二ヶ月前、
神田と想いが通じ合い、は初めて身体を重ねた。
そして泣かないと約束して、神田を二ヶ月という長期任務へ見送った。
エクソシストのにとって彼と任務の行き先が違い、離れる事はよくある事だった。
けれど想いが通じたあの日から、今までの普通は葬られた。
―好きな人と離れる事は、果てしなく辛い…―
つまり、彼がいなくなった日からは空元気という状態だったのである。
(ユウがいない時間が、これほど辛くて長いなんて…思ってなかった)
けれどは泣かなかった
それは神田からの数少ない連絡という名の励ましがあったからだった。
週に一本、あるかないかのそれに二人は、ありったけの愛を互いに伝えた。
もそれを支えに決して折れる事はなかった。
その神田がやっと、今日帰ってくる。
今でも胸が高鳴って、恋人の帰りを今か今かと待っていた。