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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第37章 愛はなくとも君がほしい【カラ松】


《愛菜side》


「愛菜、セックス……させてくれないか?」


はぁ??


驚いて隣のカラ松を見上げると、真剣な瞳と視線がぶつかった。

「セッ……え? なに? え? 今なんて言った?」

私の聞きまちがい? ありえない言葉がカラ松の口から出た気がするんだけど?

動揺する私とは逆に、カラ松は臆さず胸を張る。

「だから『セ ッ ク ス』させてくれと言ったんだ」

「…………」

聞きまちがいじゃなかった……。というか、聞き直さなければよかった……。

私は思わず道の真ん中で立ち止まった。カラ松も私に合わせて足を止める。

風が刺すように冷たい。11月に入って夕方はめっきり冷え込むようになった。厚めのカットソーを着てきたけどコートも欲しいくらい。風が吹くたびに足元の枯れ葉が乾いた音を立てて舞う。

カラ松は私の肩に力強く手を置いた。

「頼む! もう愛菜しかいないんだ!」

そんなこと言われても簡単に『いいよ』なんて返せるはずがない。

「ちょ……ちょっと待って、カラ松。唐突すぎて話がよくわかんないよ。なんで急にそんなこと言い出したの?」

「限 界 だからだ。セックスしたくてしたくてもう気が狂いそうなんだ」

「…………」

こいつ、堂々と何を言っているの? そんな宣言されても反応に困るんだけど。

「愛菜? もしかして引いているか?」

「う、うん……まぁ……少し……」

カラ松は大きく深呼吸をするとギラギラとした目で私を睨んだ。

「聞いてくれ、愛菜! 引くのはわかるが真剣なんだ! オレは生まれてから一度もカノジョがいない! もういい年なのに未だに童貞だ。でもセックスはしたい! だから幼馴染で親友のおまえに恥をしのんで頼んでいる!」

「…………」

いやいやいやいやいや……本当に何を言ってるの?

『一緒にパチンコに行こう』と珍しく誘ってきたからおかしいとは思ったけど。まさか帰り道でこんなことを頼まれるとは思わなかった。

「どうだ? だめか?」

「だめっていうか……う〜ん……」


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