第36章 おねえさんがしてあげる【十四松】
「愛菜さーん! シャワー、ありが盗塁王!!」
部屋のドアを開けた瞬間、
「きゃっ!」
上半身裸の愛菜さんが胸元を隠して蹲った。
「あ……」
思いがけない光景にぼくは凍りつく。
「十四松くん! 今、着替えてるから!」
「…………」
愛菜さんの白い肌につい目がいってしまう。遠目からでもきめ細やかでスベスベしているのがわかった。すっごくキレイだ。
「十四松くん!」
愛菜さんがまた大声を出した。
「?」
「だから、着替えてるの! 早く閉めなさい!」
「っ! サーセン!!」
愛菜さんの言っている意味にようやく気づいて、ドアを閉める。
「あー、びっくりしたぁ……」
一瞬だったけど、愛菜さんの裸が目に焼きついて離れない。
自分の腰に巻いたバスタオルが不自然に盛り上がっている。タッティだ。
「うー、我慢できずに襲っちゃったらどうしよー……」
股間を押さえると、ぼくはドアにもたれてズルズルとしゃがみ込んだ。
ここは愛菜さんのマンションの部屋。彼女が住んでいるのは5階の角部屋だ。
愛菜さんはぼくより3歳年上のOLさんで、3ヶ月前に引っ越してきた。きれいな人だなと思って道で会うたびに挨拶をしていたら、いつの間にか会話するようになっていた。
美人で大人っぽくておっぱいも大きくて……愛菜さんと話すたびにタッティしちゃ……じゃなくて、ドキドキしちゃう。
「十四松くん? もう入ってきてもいいわよ?」
部屋の中から声がした。
入ってもいいと言われても、タッティが……。
ぼくはしかたなく股間を押さえたまま、そろそろと部屋に入った。
キャミソールとショートパンツに着替えた愛菜さんが優しく微笑む。
「ごめんね、部屋着に着替えてたの。十四松くんは着替えはどうしようか? 服は泥だらけだったから洗っちゃった」
「こ、このままでも大丈夫っス!」
「本当に? 私のTシャツが入るなら貸すけど……たぶん無理だよね。バスタオル巻いてるだけじゃ寒いでしょ? とりあえず冷房は弱めておくね」