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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第35章 水とワイン/Água e Vinho【おそ松/マフィア松】


「どう? 俺の鼻、曲がってる?」

「い、いえ! そんなふうには見えないですけど……」

「本当に? 腫れてたりもしない? よく見てよ」

「は、はい!」
愛菜がさらに顔を近づける。

バーカ。折れてるわけないだろ。

愛菜の頭に手をやり、ぐっと引き寄せる。柔らかくみずみずしい唇に自身の唇を重ねた。

「んっ……!?!?」
驚いた愛菜の息が乱れる。

俺はかまわず彼女の唇を吸った。

好きだ、愛菜。ありがとな……。

「んっ……ンんっ……」
愛菜が離れようともがく。

離すもんか。永遠に。

愛菜の唇を舐めると、熱く漏れる息。その隙に舌を差し込み、絡め合う。

だめだ。これだけでもう俺、幸せすぎて。なんか他のことはどうでもいいや。

「ん……ンッ……」

静かなぶどう畑に響く水音。

「愛菜……」

「オソマツさんっ……」

一旦唇を離しても、また重ねずにはいられない。 

おまえをワインに染める?

とんでもない。

染められたのは俺のほうだ。毒気を抜かれてすっかり水になっちまった。

「っ……愛菜、好きだ……。ずっと一緒にいてくれるよな?」

「はい。ずっと一緒にいます。大好きです……!」

これからは俺が守るよ。全力で。

遠くから車の音が聞こえる。たぶん、あいつらだ。

「あ〜! なんか喉が乾いたな。なあ、愛菜。帰ったらワインを飲もうぜ。極上のやつ。弟たちに内緒で隠してあんだよ」

愛菜がくすっと笑った。

「大丈夫ですか? 見つかったら怒られますよ?」

「だよなぁ〜。特にカラマツとチョロマツがうるさくてさぁ。絶対に言うなよ?」

もう一度愛菜を引き寄せる。

ワインを飲むまで口寂しいんだからしかたない。

再び口づけた愛菜の唇は、甘いぶどうの香りがした。



―fine(終)―












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