第7章 ハロウィンナイトは危険なあなたと【十四松】
「そろそろ動けるようにしてあげるね! でも逃げちゃだめだよ?」
唇を離した十四松が指を鳴らすと、愛菜の体に自由が戻った。
「っ!」
急に動けるようになった反動なのか、腰が抜け、愛菜はその場にへたりこんだ。
十四松が屈んでそっと肩を抱く。
「ね、愛菜ちゃん! 今夜は特別な夜にしよっか!」
「十四松くん……」
「大丈夫! 優しくするから……もう戻れなくなるくらい気持ちいい夢を見せてあげる!」
そう囁くと、十四松は愛菜を生い茂った草の中に押し倒し、マントの中からガラスの小瓶を取り出した。
「これ、ヴァンパイアの特別な蜜なんだ! これを塗られると肌が敏感になってとっても感じるようになるんだよ? 感じれば感じるほど血も美味しくなるから!」
「ひっ……」
愛菜の顔が恐怖で引き攣る。
「あはー! 怖がらなくても大丈夫だよ! とっても気持ちいいんだから! この快楽に耐えられる人間の女性はいないんだよねー!」
十四松は、小瓶の蓋を開けると、愛菜の裸体の上に傾ける。とろりとオイルのような粘度の高い液体が愛菜の白い透き通った肌の上を伝っていく。
「あ……」
液体が愛菜の身体をじんわりと包み、蜜に触れた部分がじわじわと熱を帯び始めた。