第34章 イジワル上司の松野さん【トド松】
見てって言われても……。
視線を戻すと、一直線にそそり勃った松野さんのものが目に入る。
「っ……」
昨日エレベーターの中で感じたあの興奮が蘇った。
ダヨーン重工を出たあと、松野さんに抱かれたくて抱かれたくてたまらなくて……。
自分でもなんでこんな衝動に襲われたのかわからない。
ただとにかく松野さんが欲しかった。今日だってずっと頭から離れなかった。
「ちょっと! 何その顔?」
松野さんが苦笑する。
「っ!」
私は我に返って横を向いた。
うわ〜、つい真剣に松野さんのソコを見つめてしまっていた。私ってば、一歩間違えたらアブナイやつだよ。
……いや、それとももう間違えてる? 一歩どころじゃなく、何歩も、何十歩も。イジワルな上司に欲情して、会社でイカされて。もうとっくに私は道を踏み外したのかも。
松野さんが笑いながら私の手を取る。
「眉間にしわ寄ってたよ? どういう意味? ちょっと傷つくんだけど……」
「ち、違いますっ……! 変な意味じゃなくて……!」
松野さんがニヤリと口の端を上げた。
「ふぅん。じゃあ、逆に嬉しいって意味?」
「えっ……」
「とぼけないでよ。ボクと早くしたいんでしょ?」
「っ!!」
私ももう限界だった。
たとえ間違えていても構わない。私は松野さんが欲しい。
松野さんに導かれるまま、階段の手すりをしっかりと両手で掴む。松野さんにお尻を突き出す形になった。
ごくりと唾を飲む音が聞こえた。
「ボク、こうなるってなんとなくわかっていたかも……」
「わかっていた……?」
手をついたまま振り向くと、松野さんが胸ポケットから避妊具を出した。
ビリッと口で袋を破く。
「忘れるって君に言っておきながら、昨日から心のどこかでは期待してたよ。会社で会えば奥田くんを抱けるんじゃないかって。だから、ゴムも用意していた」
ゴソゴソと避妊具を装着し、私の腰に手を置く松野さん。それだけでも心臓の鼓動が早くなる。トロトロにほぐれた入り口に硬い男根の先があてがわれた。
「ぁ」
思わず小さな声が漏れる。蜜口が期待のあまり松野さんのものを咥え込もうと収縮する。