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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第33章 青春性愛ストロベリー【一松/えいが松】


《愛菜side》


目を開けると、眩しい光。思わず横を向いた。

いつの間にか寝てしまっていたらしい。変な姿勢になっていたのか、首が痛い。

「あ〜、服を着替えずに寝てた……」

もそもそと起き上がり、私は周りを見回した。

いつもの自分の部屋。投げ出された鞄とコート。中途半端に開いたカーテンから朝日が差している。

「…………」

頭がぼうっとする。

昨夜はたしか出張から戻るのが遅くなって、帰ってきたらバタンと眠ってしまって……。

睡眠時間はそんなに取れていないはずなのに、まるで長いあいだ眠っていたみたい。なんだか遠い記憶に感じる。

「疲れてるのかな……」

額を押さえて、ため息をつく。ふとベッド脇に置いてあるローテーブルが目に入った。

置きっぱなしのハガキ。

『赤塚高校同窓会』の文字。

「あ、そっか。昨日だったっけ……」

結局、行けなかったな。みんなは来てたんだろうか。それに……松野くんは……。

そこまで考えて、私は「ん?」と首を傾げた。

松野くん? 松野一松くんだよね? そういえば最近どこかで松野くんを見たような気もする。

「えっと……どこで見たんだっけ……?」

高校を卒業してから赤塚にはほとんど戻っていない。松野くんとも連絡は取っていない。でもつい最近松野くんと会ったような……。夢でも見て忘れてるんだろうか?

「う〜ん、思い出せないや……」

私は立ち上がると、とりあえずキッチンに行って水を飲んだ。ここのところ仕事が忙しかったし、疲れてるだけかもしれない。今日は休みだし、のんびり過ごそう。そうだ、朝のうちに買い物にも行っておきたい。

簡単に朝食を取ると、私はすぐに出かけることにした。身支度をして、外に出る。

昨日は寒かったけれど、今日は暖かい。柔らかい日差し、道端にちらほら咲きはじめたタンポポ。仕事に追われているあいだに冬は去り、もう目の前まで春が来ているようだ。

「三月も終わりだしね……」

私は伸びをすると、歩き始めた。庭に桜を植えている家が何軒かあり、どの木も花が開きはじめている。

「そういえば、高校の卒業式のときも桜が咲いていたなぁ」

ぼんやりと思い出しながら、道を曲がった。ここを抜ければ、すぐに広い通りに出られる。少し早足で小さな公園の横を通りすぎた。


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