第7章 ハロウィンナイトは危険なあなたと【十四松】
10月31日。ハロウィンの日。
愛菜と十四松は、車を走らせていた。
楽しいドライブデートの帰り道。おしゃれなお店で夕食も済ませ、あとは家に帰るだけ。10月も終わりになり、日が落ちるのも早くなった。外はもうすっかり暗くなっている。
「今日は楽しかったね!」
愛菜が笑顔で運転席の十四松に話しかける。
「あはー! ほんっと楽しかった! また行こー!」
十四松も答えながら、ちらりと助手席を見た。
(本当はまっすぐ帰りたくないんだけどなー……愛菜ちゃんは帰っちゃうつもりなのかな?)
座っている愛菜の足元に、ついつい目がいってしまう。
(あー! 今日の愛菜ちゃんのスカート、結構短い! 座ってたら見えちゃいそうだよ! やっぱこのまま帰りたくない!)
「ちょっと十四松くん! ちゃんと前見て!」
愛菜の声にハッとして、慌てて十四松は前を向き直した。
「ねぇねぇ、十四松くん。今日って何の日か知ってる?」
十四松の気持ちも知らず、愛菜は機嫌よく話しかける。