第32章 咲き乱れよ愛慾の長春花【逆ハー/三国志松】
「ねぇ、いつの間に嫁争奪戦になってるの? そういうの重いんだけどぉ」
トド松の言葉でハッと我に返る。
「そうそう! 今度は我たちとしよー!」
「やっと番が回ってきましたね」
十四松とチョロ松がカラ松を押しのけた。トド松も駆け寄ってくる。
「ん〜〜!! ん〜〜!!」
苦しそうな声がして目をやると、縄でぐるぐる巻きにされ、布を噛まされたおそ松帝が床に転がっていた。誰も助けようとしないところを見ると、どうやら縛ったのはみんなの総意らしい。
帝なのに人望ないの……? まあ、なんとなくわかるけど……。
「我たちは嫁より恋人になってくれる女のコがほしいな〜」
若き武将トド松が甘えるような瞳で私を見上げる。そっと優しく手を取られ、思わず胸が鳴った。
「そうそう! 一緒に桃食べてくれる女のコ! あとおっぱい見せてくれる女のコー!」
「軍師は品がないですよ。我はやっぱり優しい女性がいいかなー。あ、でも、可愛かったらなんでも尊い……はぁーーん!!」
十四松が右側に、チョロ松が左側に。二人に挟まれ、顔が熱くなってくる。
トド松は私の手を握ったまま、正面からキスをしてきた。
「んっ……」
水音を立てて舐めあうと、すぐに唇は離れる。今度は十四松が私の頬を引き寄せた。
「んっ、ぅ……」
強く唇を吸われ、息が苦しくなる。
また離れて次はチョロ松。
男たちからの優しく甘いキスが休む間もなく次々に降ってくる。身体にもまた火がついてきた。
「んっ、ん、んぅっ、……ぅ…んっ……」
トド松と舌を吸い合い、十四松に唇を舐め回され、チョロ松と唾液を交換する。
一方、縛られたおそ松帝は活きのいいエビのように床で跳ねていた。もちろん、それぐらいでは縄はほどけない。帝の唸り声をバックに、私たちは繰り返しキスを交わす。
「んっ……ぅう、ンッ……」
徐々に熱を帯びてきて、気づくと私たちは四人でもつれ合いながら横になっていた。
「はぁんっ! や、柔らかいっ……!」
チョロ松が私の胸を夢中になって揉んでいる。力が入って少し痛いくらいだけど、それだけ興奮しているのがわかる。
「ねぇ、もっとしよ?」
トド松が私の顔を引き寄せた。くちづけては離し、ふふふっと微笑む。