第30章 熱帯夜【逆ハー】
「俺まだイッてないのに二人だけで楽しむってなんなの!? お兄ちゃん寂しすぎるんだけど!?」
おそ松さんが横で喚いても、どうすることもできない。十四松さんが私をぎゅっと抱きしめ、さらに腰を動かす。
「あっ、あ、あ、ぁんっ、十四松、さんっ……お、おっきい……」
「あっは! もっと言って! 愛菜ちゃんも可愛いよー」
たまらなくなって私は十四松さんに抱きついた。密着して愛を交わす私たち。おそ松さんだけ完全にかやの外。
「くっそー! おまえらだけ楽しみやがって! 俺だって限界なんだからな!」
おそ松さんが下半身を勃てたまま吠える。
「愛菜ちゃんっ、ぼくもうすぐ出そうっす……」
「っ、うん……」
「やっぱり中に出していい!?」
「んっ、だ、だめっ」
十四松さんの抽送が速くなった。腰をうねらせながら、無駄なく正確に突く。
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」
真剣な顔。もう笑顔はない。
「あんっ、ンッ、じゅうしまつ、さんっ、ンッ……」
太い肉棒が膣壁をしっかりと擦る。お腹の奥深くから湧き上がってくる快感。それがはっきりとした形となり、絶頂へと昇っていくのに時間はかからなかった。
「愛菜ちゃんっ、僕もうっ、イキそうっ」
「ぁ、あんっ、ぅ……、わ、私もっ……ンッ、ぁあっ……」
おそ松さんが苦虫を噛み潰したようなひどい顔で見ている。
「くっ! 愛菜ちゃん! ぼくもう出る! 出るよ!」
「ぁんッ、あぁあっ! あぁっ! あああっああああッッ……!!」
イクのは同時だった。私が絶頂に身体をこわばらせた瞬間、十四松さんが素早く引き抜いて射精する。温かい液がたっぷりと胸に注がれ、私は身体を痙攣させた。
「すっげぇ……めちゃくちゃ気持ちよかったぁ……」
十四松さんがへたり込む。
あとから来るのは、心地よい余韻とツンと鼻をつく独特の香り。