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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第30章 熱帯夜【逆ハー】


「あー! 疲れた! けっこう遊んだね!」
私はビーチチェアにぐったりと身を預けた。

両隣に友人のクミとミワも座る。

「愛菜、あんた本気で泳ぎすぎ。学校のプールじゃないんだから」

「そうだよ〜! とりあえず休憩!」

私たちは買ったばかりのスポーツドリンクを飲んだ。冷えたドリンクが熱くなった身体を冷やしてくれて気持ちいい。

活気に満ちた真夏のビーチ。休日ということもあって、人でごった返している。

「女三人で来てるけど、案外声かけられないね」
私の言葉にクミとミワが吹きだした。

「そりゃ、そうでしょ! あんた、海に夢中で周り全然見てないじゃん」

「隙がないと向こうも声かけ辛いよね。愛菜は声かけられたいの?」

「う〜ん……そういうわけでもないけど……でもせっかくの夏だし、何かあってもいいかなって……」

クミとミワがうんうんと頷く。

「分かるよ! ここで彼氏作りたいとまでは思わないけど、ちょっと遊びたいよね」

「何それやらしい!」

「やらしくないって! ワイワイしたいだけ!」

ふたりが楽しそうに笑うのを横目に私はぼうっと海を眺めた。

確かに普通に仕事してても出会いないしなあ。ちょっと何かあってもいいと思うんだけど。

「でも現実は難しいか」

ため息をついてまたドリンクをひと口飲んだとき、不思議な声が聞こえてきた。

『六つ子だよ〜! 顔が一緒だよ〜!』

見ると、六人の男性がぞろぞろと歩いてくる。

『六つ子だよ〜! 顔が一緒の六つ子だよ〜!』

隣のクミとミワも不審そうに顔を向けた。

「何あれ?」

「分かんない? むつご?」

六人の男性はあっという間に人に囲まれる。


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