第29章 キミとおうちで〇〇〇デート【おそ松/デート松】
《おそ松side》
「おっ邪魔しまーす」
ポケットに手を入れながら、俺は靴を脱いだ。
「おそ松くん、早かったね! 暑かったでしょ?」
愛菜がスリッパを出してくれる。
暑いからか、彼女はTシャツにショートパンツ。足、細ぇな〜。外ではスカートが多いから、すげぇ新鮮。
「ほんっと暑すぎ。ここまで歩いてくるだけで汗ビッショビショ!」
……と、シャワー浴びたいアピール。Tシャツの裾を大げさにパタパタさせてみせる。へへ、どうだ? もうこれシャワー直行パターンだろ?
「そうだよね〜汗かいちゃうよね! すぐに冷たいもの出すから部屋に行こう! あ、汗拭きシート使う?」
くっ! 違う! 違うよ、愛菜! シャワー! シャワーを浴びさせて! あと、愛菜も浴びて! 何だったら一緒に!
俺は心の中で舌打ちしながら、部屋に入った。
8月の日曜日の昼過ぎ。二人で花火デートをしてから早3週間。愛菜の仕事が忙しかったり、お盆があったりして、全然会えなかった。
『おそ松くん、来週の日曜日休みだからデートする?』と家に電話がかかってきたときには、俺は無我夢中で「うち! おうちデート!」と叫んでいた。
『おうちデート? あ〜そうだね! 暑いからいいかも』
意外にも賛成してれる愛菜。
「だろ? こんなに暑いときは、家で冷房かけながら、まったりDVD見ようぜ!」
『分かった。私の家、知ってるよね? マンションの4階なんだけど』
「知ってる知ってる! 部屋で待っててくれれば、行くからさ!」
そんなわけで、俺は見事おうちデートを勝ち取ったのだ。
まったりDVD? んなわけねーじゃん! おうちデートでやることって言ったら、一つしかないだろ? 愛し合う男女が絡み合うアレだよ、アレ!