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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第28章 キミと浴衣で花火デート【おそ松/デート松】


《おそ松side》


「いい天気だよなぁ……てか、あちぃ〜」

慣れない浴衣姿でパタパタと団扇を仰ぐ。俺は自転車置き場の柱にもたれかかった。

休日の赤塚駅前はそれなりに人がいて、ちらほら浴衣姿の女性も見かけるから、つい目が行ってしまう。

あいつも浴衣で来るよな? もし違ったら男の俺だけ浴衣って恥ずかしいよな……。

そんなことを考えながらぼんやりしていると、「おそ松くんっ」と肩を叩かれた。

反射的に振り返り、俺は息を呑む。

「どうしたの? 変な顔して」

笑う愛菜は、黒地に赤や青の朝顔が散るレトロな浴衣を着ていた。帯は紫、髪は後ろで纏め、赤い花の飾りを付けている。

「いや……なんつーか……」

言葉が出ない。

「何? そんなに変?」
愛菜が頬を膨らませる。

変どころかめちゃくちゃ可愛いんだけど……カメラ持ってこればよかった……。

「いや〜別に〜。もっとさー、セクシーなおっぱい出てるやつとかのが良かったんじゃない? それかミニスカみたいなやつ」

鼻の下を擦りながら照れ隠しに適当に返すと、愛菜の顔がみるみる険しくなる。

「何それ!? そんな浴衣着るわけないでしょ!? だいたい、おっぱい出てる浴衣って何よ!? 見たことないんだけど!」

「俺は見たことあるよ? おっぱい部分が全部スケスケなやつ。タイトル何だっけな〜。『浴衣にぶっかけ! ムラムラ花火大会』だったかな〜」

「それはAVでしょ!? そんなの見てるの!? 最低!」

愛菜が真っ赤になって、俺を叩いてくる。下駄を履いてるから、少し転びそうで危なっかしい。

あ〜可愛い。

俺はニヤニヤしながら、愛菜の全然効かないパンチを受け止めた。


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