第27章 ぼくは紫陽花(あじさい)【十四松】
「はぁっ……愛菜ちゃんっ……これ以上は……まずいっ……よ……」
お兄さんが苦しそうに私を押し返す。
「なんで……」
「なんでって……ぼく……」
声に熱がこもっているのが分かる。暗闇の中でお兄さんが顔を歪ませているのが見えた。
「お兄さんは、私のこと嫌い……?」
「嫌いなわけないっ……けど……こんなことしてたら……本当に襲っちゃう……」
ぐいぐいと私の肩を押し、必死に拒んでくるお兄さん。拒否られているのが少しショック。私も意地になって押し返す。
「やだっ……お兄さん……もっと……抱っこして……」
「ちょっ……だめ……我慢できなくなるっ……から……」
絞り出された声。本当に苦しそう。
布団の中で押し合いが続く。
「じゃあ、なんでいつも公園にいてくれるの……?」
「それは……愛菜ちゃんが心配だからっ……」
「好きってことじゃなくて?」
「っ……」
十四松お兄さんの力が一瞬弱くなった。瞬間、私はお兄さんになだれ込むように抱きついた。
「私はお兄さんのこと好きだよ……」
温かくて大きい身体。微かに汗の匂い。胸が高鳴る。
お兄さんが息を吐いたのが耳元で聞こえた。腕が再び背中に回される。
「愛菜ちゃん、ごめんっ……」
次の瞬間、視界が回った。いつの間にか組み伏せられて、お兄さんが私の上に乗っている。
「あ……十四松……お兄さん……?」
お兄さんが覆い被さってきた。唇に強引にキスをされ、パジャマの上から乱暴に胸を弄られる。
「はあっ……おっぱいっ……」
獣のようにお兄さんの手が荒々しく私の胸を揉みしだいた。