第25章 おめでと♡サマー仮面【カラ松】
《カラ松side》
オレの名はサマー仮面。
毎年夏になると、街中のサマーを探し求め、さらなるサマーを注入し、みんながよりサマーを楽しんでいるサマを見ながらサマーサマサマな限られた日々を楽しむそんなオレサマー。
んー? まだ5月、夏には早いんじゃないかって?
そんなことは分かっている。
今、オレは太陽の仮面をつけて海パン一丁で、外を歩いているわけだが、今日は5月にしては珍しく涼しい。凍え死にそう……はさすがに大袈裟だな、普通に風邪をひきそうだ。
え? 『カラ松よ、お前の美BODYは実に眩しいが、寒いのなら大人しく服を着て外を歩け』だと?
ノンノンノン、賢明なる読者たちよ。何もオレはこの奇跡のカラ松BODYを皆に見せるためだけに、こんな格好をしているわけじゃあない。当然、他にも目的があるんだ。
こんな涼しい5月の日にわざわざサマー仮面になる理由――君もカラ松ガールズなら、もう分かるだろう? そう、それはオレの彼女、愛しのプリンセス、愛菜ちゃんのためだ。
冬の間、仮面を脱ぎ捨て、松野カラ松として順調にニート生活を送っていたオレ。愛菜ちゃんもオレとの甘い時間を過ごすのにすっかり慣れたことだろう。
しかしだ。思い出してほしい。オレと愛菜ちゃんの仲はサマー仮面が繋げた縁。にも関わらず、愛菜ちゃんはサマー仮面を忘れてしまったのか、話題にも出さない。
今日だけは再びこの仮面をつけ、愛菜ちゃんとのサマーを呼びサマーさなくてはならない。
何? ここまで全く意味が分からない? 分からなくていい。要するに、オレの誕生日が来たんだセンキュー!