第24章 悪魔は甘いキスがきらい【おそ松、トド松】
「トッティのキス、すっごくおいしい……甘いね……」
「うん……もっとしよっか……」
私たちは改めて抱き合うと、チュッチュッとキスを繰り返した。
「お、おい! お前ら! やめろよ! そういう甘ったるい雰囲気は吐きそうになるんだけど! このリア充め! う……くっ、苦しくなってきた……」
デビおそが胸を掻きむしり始めた。
私たちはまた倒れ込む。
「ねぇ、トッティ、知ってる? 悪魔は甘いキスがキライなんだって……」
「へぇ……あの人、悪魔なんだ? じゃあ、もっといっぱいしよっか……」
ベッドの上で転がりながら、足を絡ませ、キスに夢中になる。
「あー! くそっ! 見てらんねぇよ! バカやろう! こんな契約、破棄だ破棄! 勝手にしろ!」
窓を開けて、デビおそが外に飛び出す。黒い羽根を羽ばたかせながら、悪魔は月夜に消えていった。
「ふふっ、ボクたちって幸せだね……」
トッティが微笑む。
悪魔の力なんて最初からいらなかったのかも。もっと早く声をかけていればよかった。
私たちは抱き合いながら、また互いの身体を求め合う。悪魔が去った窓からは、初夏の風が滑り込み、ピンクのカーテンをいつまでも優しく揺らしていた。
―END―