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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第23章 桜とぼくらの一週間【チョロ松/学生松】


【はじまりの月曜日】


「チョロ松くーん! チョロ松くんってば!
おーい! チョロチョロリーン!」


誰かが名前を呼んでいる。

本を読んでいた僕は、満開の桜の木の下で顔を上げた。


声は木のすぐ横にある特別教室の校舎から聞こえる。よく見ると、1階の窓から、同じクラスの愛菜がほうきを持って、手を振っていた。


特別教室は、交代で掃除当番が回ってくる。きっと、今日は愛菜のグループの当番なんだろう。


「なに?」
聞き返すと、愛菜はへへへと嬉しそうに笑う。


「チョロ松くんは何してるのー?」


「見れば分かるだろ? 本読んでるんだよ」


「あはは、そっかぁ」
無邪気に笑う愛菜。窓からかなり身を乗り出しているが、廊下から見たらスカートの中が見えちゃうんじゃないか? 僕は内心ヒヤヒヤしながら、彼女を眺めた。


「愛菜は、掃除当番?」
 

「うん! でも、もう終わるの! チョロ松くん、今から帰るんでしょ? 一緒に帰ろうよ!」


「は? なんで一緒に?」


その時、教室の中から「愛菜ー! 片付けるよー!」と女子の声がした。 


「うん、今行く! チョロ松くん、じゃあ、そこで待っててねー!」


「あっ、おい! 帰るなんて言ってないだろ!?」


愛菜は、全く聞く様子もなく、音楽室にさっさと入っていった。


「ったく、勝手なんだから……」
僕は本を閉じて、桜を見上げる。今年は暖かかったから、もう満開だ。今日は晴れて、ほどよく風が吹いているから気持ちがいい。

 
愛菜とは、高校に入学したときから3年間ずっと同じクラスだ。初めは名前ぐらいしか知らなかったが、1年の時にたまたま一緒に文化祭の実行委員をやって、話すようになった。 


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