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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第22章 大統領には押させない!【トド松】


「きゃあああーーーー!!!!」


私の悲鳴にトド松補佐官も飛び上がる。
「何!? はっ!? はああああっ!?」


机の上で愛し合うバカップルな私たち。そのすぐ横で、デカパン大統領が引き出しを開けている。どうやったのか床に転がる壊された南京錠。まさに今、あのボタンを押そうとしているところだった。


「ホエ〜お楽しみ中のところ、失礼するダス! ポチッとダス!」
デカパン大統領が指を伸ばす。


「「だめえぇぇーー!!!!」」


私たちは同時に大統領の腕を掴んだ。


「押させてダス! 君たちはワスに構わず、えっちしてればいいダス! ワスはその間にボタンを押しておくダスから!」


「だめだめだめだめ! 何言ってんだ!」
トド松補佐官が大統領を机から引き剥がす。


「もう夜だから押させてダス!」


「夜でも朝でも関係ないですからねっ!?」
私も大統領の重い体を無理矢理引きずる。


「嫌ダス! あともうちょっとだったのに、諦めたくないダスー!」


暴れる大統領を私たちは二人がかりで組み伏せた。


「あーもう! キリがない! なんなんだよ、この大統領!」
トド松補佐官が不機嫌そうに大声を出す。


「ほんっと、こんな人が大統領なんて冗談じゃないっ!」
クールビューティーはどこへやら、私ももう苛立ちを隠せない。


少し前に花火を見ながら感傷に浸ったことを後悔する。『大統領を支えて、国民の生活を守る』? いやいや、支えようがないでしょ、この大統領。ボタンを守るだけで精一杯。


「愛菜ちゃん……ボク、補佐官辞めたいって言ったけど、撤回する」
無茶苦茶に腕を振り回す大統領に苦戦しながら、トド松補佐官が言う。


「え、撤回?」


「うん、補佐官続ける。だって、ボタンを押させるわけにはいかないもん!」


「そうですね……頑張りましょう……!」


私たちは顔を見合わせ、強く頷く。この戦いはこれからもずっと続くに違いない。


夜の執務室にデカパン大統領の叫びが響き渡った。


「ボタン押させてダスーーーー!!!!」







―END―







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