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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第20章 アクアリウムに沈む愛【カラ松、おそ松】


「そうか。何か飲むか?」


「あ、そうだね。喉乾いちゃった」


「オーケー、お姫様。戻ってきたら注文するから、選んでおいてくれ」


「お姫様って。カラ松くんってば、恥ずかしいこと平気で言うんだから」
愛菜がくすくす笑う。


オレも笑いながらバスルームに入る。


湯船に湯を張りながら、ふうっと大きく息を吐いた。


これでいい。これでいいんだ。全てはうまくいく。もう、おそ松のことは忘れよう。なかったことにするんだ。愛菜と幸せになるために。


しばらくぼうっと湯船を眺め、湯がたまったのを確認するとバスルームを出る。


「愛菜、風呂入れるぞ。愛菜?」


戻ると、ベッドの中で寝息を立てている彼女。


「なんだ……寝てしまったか……」


彼女の寝顔を覗き込むと、睫毛と頬が濡れていることに気づいた。


……泣いていたのか?


「愛菜、大丈夫だ。オレがずっといるからな……」


オレは愛菜の頭をそっと撫でる。彼女が寝返りを打った。


「ん……おそ松……くん……」


オレは固まる。


何だって? 今、何と言った?


愛菜の顔をもう一度見る。さっきと変わらず、すやすやと気持ち良さそうに眠る彼女。


「愛菜……お前、やっぱり……」


ああ、オレはいつまで経ってもこの水槽から抜け出せない。溺れることができれば、いっそ楽なのに。オレはこの水の中をどこまでも漂い続けるんだ……。


オレはベッドに突っ伏した。涙がシーツを温かく濡らしていく。彼女が目を擦りながら起き上がるその時まで、オレは静かに泣き続けた。






―END―







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