第13章 超洗剤クリスマス【逆ハールート】
私はある一人を指差した。
「じゃ、選んだ彼氏を抱き締めて下さ〜い。自分で選んだんだから、当然できるよね!?」
声が飛んできて、私は仕方なく自分が選んだ『チョロ松くん』に近づいた。
手を伸ばし、思い切って抱きつく。
……あれ?
なんだかチョロ松くんよりも少しガッシリしているような気が……。
もしかして、間違った……?
瞬間、『チョロ松くん』が私をぎゅっと抱き締め返してきた。
「ワォワォワォ〜! このカラ松を選んでくれるなんて、生涯でこんなに腑に落ちたことはないぜぇ〜! この愛を! 優しさを! 愛菜ちゃんに届ける準備はいつだってできてるぜー!」
違った……!
カラ松くんだった!!
「嘘でしょ……」
本物のチョロ松くんが頭に手をやり、しゃがみ込む。
「んじゃ、愛菜ちゃんは、今夜は俺たち全員と過ごすことに決定〜!」
チョロ松くんAこと、おそ松くんが喜々として叫んだ。
「ヒヒッ、こんなゴミ6人とイブを過ごすとかご愁傷様……」
チョロ松くんCこと、一松くんに肩を叩かれる。
「やったー! 愛菜ちゃん、野球する? 野球!」
早速素振りを始めるチョロ松くんDこと、十四松くん。
「野球はしないよ、十四松兄さん! とにかく7人でパーティーだねっ!」
チョロ松くんEこと、トド松くんが可愛くウインクを飛ばした。