第12章 超洗剤クリスマス【チョロ松ルート】
「どうしたの? だって、チョロ松くんは別にしたいわけじゃないんでしょ? むしろ、嬉しいぐらいなんでしょ?」
「い、いや、でも、愛菜ちゃんが……」
「私は別に大丈夫だよ? 帰ろっか?」
ベンチに置いてあったバッグを取る。
「だ、だめーっ!」
チョロ松くんが急に大声を出して、立ち上がった。
「え……?」
「だめだめだめ! せっかく愛菜ちゃんがキスしてくれて元に戻れたのに! すっごい気持ちよかったのに! せっかくのクリスマスなのに何もなしなんてイヤー! だから、もっとイチャイチャしたい! ってか、もう、普通にしたいーーっ! ってか、僕はドスケベエロエロ変態人間だーーーーっっ!!!!」
チョロ松くんの悲痛な叫びが夜の公園にこだまする。周りのカップルたちが一斉にこちらを見た。
「あ……」
チョロ松くんが我に返って真っ赤になる。
私は笑いながらチョロ松くんに抱きついた。
「も〜! チョロ松くんてば! 私だって、せっかくのクリスマスだから、チョロ松くんともっとくっつきたいなと思ってるよ?」
「愛菜ちゃん……!」
チョロ松くんが私の背中に手を回す。私たちはそのままぎゅっと抱き締め合った。
チラチラと雪が降り始め、イルミネーションの光の絨毯の上に舞い降りる。
まるで雪までもが初めから計算されていたかのように、風景に見事に溶け込んで、美しく冬の夜を飾りつけた。
絵画のような光景に、私たちは抱き合いながらうっとりと酔いしれる。