第9章 かんじて♡サマー仮面【カラ松】
《カラ松side》
「ゼェッ……ゼェッ……ゼェッ……」
やっとの思いで砂浜に辿り着くと、オレは海から這い上がった。罪な真夏の太陽が容赦なく肌を焦がす。
「今回はキツかったな……。まさか北アメリカまで流されるとは、な……」
今日一日で、流刑になったのはこれで33回目。
オレは今、高校の時から片想いをしていたハニー、愛菜ちゃんと海でデート中だ。
数年間に及ぶストーカー行為……じゃなくて、健気な日々の努力が実を結び、オレたちは今日晴れて恋人同士となった。
想いが通じ合ったばかりのオレと愛菜ちゃんは、早速二人きりで愛を語り合おうとするものの、イイ感じになるたびに、ブラザーたちに見つかっては海に流される、の繰り返し。
愛菜ちゃんとエロいことをしたい一心でビーチに舞い戻って来てはいるが、さすがに体力が尽きてきた。
まだこれからハニーと熱い大人の運動会を繰り広げなくてはいけないというのに。
大体、1回目の流刑になる前、石段の途中で愛菜ちゃんと抱き合って、キスしながら射(ピー)できるはずだったんだ……。