第2章 銭湯クイズに参加してみた【ギャグハー】
「コーヒー牛乳争奪! おそ松クイズー!!」
おそ松くんがマイクを片手に大声を張り上げた。
他の客たちから歓声が上がる。
ここは銭湯の男湯。
「愛菜ちゃん、今の心境を聞かせてくーださーい!」
解答席に立たされた私に、おそ松くんがマイクを向けてくる。
「あのー、私、まだ掃除の途中なんだけど……」
「あらっ! 緊張されてます?」
「は?」
「全問正解したら、風呂上がりのコーヒー牛乳が貰えますよっ!」
再び観客たちから歓声が上がった――。
先月からこの銭湯でバイトを始めた私。
昔ながらの銭湯はどこか懐かしさが漂う。常連のお客さんもみんな気さくな方ばかりで毎日の仕事はとても楽しい。
このバイト始めてよかった。
そんなことを考えながら、今日もいつものようにTシャツに短パンでデッキブラシ片手に掃除をしていたところ、常連の六つ子に捕まってしまった。
「今からクイズやるからー! 愛菜ちゃんもおいでよー!」
十四松くんに手を引っ張られる。
「クイズ?」