第2章 始まりの音
どうしてそんな言葉が吐ける?
お前は彼女の何を見ているんだ?
男の口にする恋愛感がまったくり理解出来ない。
ただただ不快感だけが増す。
「成人してもお子様過ぎてさ、お前なんか誰も相手にしねぇよ」
自分の立場とか、世間体とかそんなものが一瞬にして吹っ飛んだ気がした。
駄目だとわかってはいる筈なのに、泣いているだろう彼女を放っておけなかった。
「優美、話はもういいのか?」
「!?」
「あ?お前誰だよ?」
「お前こそ誰?何、人の女泣かせてんだよ?」
「はあ!?優美どういう事だよ?」
「お前なんかに関係なくね?彼女待たせてんだろ?だったら他の女にちょっかいかけてないで、さっさと行けよ」
「おい優美、マジでコイツなんだよ?」
そう言って男が彼女の肩に触れる。
それに無償に腹がたった。
二人に近づきその手を払いのける。
そして視界に入った彼女の泣き顔。
演技で見るそれとは違い、本当に何も考えられないと言う感じで泣いているその顔を見て自分の中で何かがキレる音がした。
「気安く触んなよ?」
「ああ?お前わかってんの?コイツ超子供だぜ?こんなのと付き合ったって時間の無駄だぜ?」
「それが?お前さっきから五月蝿すぎ、これ以上人の女侮辱する言葉吐くなら許さねぇぞ」
震える拳を握り締める。
さっさと何処かへ行ってくれと心から思う。
出ないと結構我慢の限界だった。
暫くして遅い男を呼びに戻ってきた女に男は悪態つきながら去っていった。
気まずい空気。
だけどそのままになんてしておけなくてそっと手を取って昨日のあの神社を見つけてそちらに移動した。
持っていた水風船やりんご飴、焼きソバにたこ焼きを傍らに置くと彼女も静かに腰を下ろした。
昨日と同じ場所。
だけど、今日はその中で彼女が静かに泣いている。
何とも言えない空気。
「あ・・・その・・・なんか・・ごめんな」
「・・・・」
「何となく、我慢できんかった」
いい大人がした判断ではないと後々になって思う。
もっと上手いやり方があったのでは?と思う。
きっと翔君だったらもっと上手にやれていたに違いない。
「初めて、だったんですッ」
「え?」
「彼氏とか恋とかッ・・・全部初めてでッ・・・私ッ」