戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第48章 長月も愛する ―政宗源氏&夕顔―<R18>
ほう、そんな風に俺をみていたか。
そりゃあ俺は光る君と言われる程、輝かしくて麗しいと女人や官人たちからも評判だ。
だから黙っていても女人が近寄ってきて入れ食い状態なのは否定しない。
それなりに女人と相手をしてきて、どこをどうすれば女人が悦ぶのかも知っている。
でも、それはあくまでも一夜の情事で有り、俺はその相手を心底愛した事はない。
俺が愛する女人は俺には手が届かない、俺が手に入れる事が出来ない人ばかりなのだ。
しかしそんな事は口が裂けても言えないから、俺はあくまでいろんな女人を相手にしているものの、その女人はけして愛さないおとことして名を知られるようになっていった。
だがこの舞は違う。
色っぽくて甘やかで、自分の気持ちに正直で可愛げのある女人。
いつも俺の前に存在する女人は、きどって自分の気持ちなぞ絶対明かさず、抱いていても自分がどうして欲しいなぞ言わない、俺のやりたいようにやれば良い、ばかりで、舞のように『こうして欲しい、こうしたい』と言うおんなは俺の周りにいなかった。
だから強く惹かれ、惟光が得体がしれないから会ってはいけない、と言ってきてもそんな言葉は無視して会わずにはいられない存在だ。
その舞から「女人を蕩けさせるのが上手」と言われるのは、俺を遊び相手としか見ていないという事か。
俺はそう判断し、だったらこの舞をもっと俺から離れられないように、全身で俺を覚えてもらおう、そう思い舞に覆いかぶさり口付けをする。
「んぁ…んん…」
俺が口付けをしてくると思っていなかったらしく、甘い声を口の端からあげる舞。
もっと、もっと、俺に溺れるように深く口付け、全身で舞へ沈み込ませていく。
これからも、俺しか見られないように、嫌という程、俺をからだに覚えこませるか。
覚悟しな、舞。
舞を抱きしめる俺は、そのまま舞のからだに赤い花を咲かせ、俺の愛を忘れられないように、しっかり覚えてもらうよう最奥へ貫き、たっぷりと愛を注いでいく。
ずっと、おまえを愛するから。
また次のこの長月の、俺の生まれたという日に、愛し合おう。
<終>