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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第48章 長月も愛する ―政宗源氏&夕顔―<R18>


「政宗様、得体の知れぬ女人の許へお越しになるのは、ご遠慮くださりませ」

いつもの事だが惟光が俺に説教してくる。

「あいつは別に得体の知れぬ女人ではないぞ、惟光。ちゃんと夕顔と呼んでいるし、住んでいるところもわかっているだろう?」

「その御名は政宗様がお付けになったものでしょう。いつぞや私の母の許へお越しいただいた時に、彼の家に巻きついていた夕顔を扇に乗せて渡された際に…違いますか?」

「へぇ、よく覚えているな、さすが俺の乳兄弟」

「茶化すのは止めていただきましょう」

俺がにやりと片頬で笑みを浮かべ、脇息に寄りかかりながら手にした扇をぱちりぱちりと開いたり閉じたりしながら、惟光とやり取りをする。

惟光は、でも、最終的には俺の意思を貫いてくれるんだよな。

あれこれ口うるさい部分もあるものの、最高の乳兄弟だと俺は認めているから、惟光にも最終的には受領の職は授けてやるつもりだ。



「政宗様、衣装の支度が整いました」

女房が着ていく衣装に香を焚きしめたと言いにきたので、俺は惟光との話しを強制的に終わらせる。

「惟光、ここまでだ。さぁ、俺は舞のところへ行く。支度をするからその間に牛車の用意をしておくように」

「…かしこまりました」

多少むっつりとしながらも俺の言う事には逆らえないものだから、渋々といった体で惟光は下がり牛車の用意を言いつけにいく。

俺は香を焚きしめた狩衣に着替え、舞に今日も会えるのかと期待をしていた。
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