戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第45章 言葉を伝えたい ―末摘花&光秀源氏―<R18>
夜がしらじらと明けてきたみたい。
近くの女房がこほんと咳払いをし、御帳台で休む私達に起きるよう促す。
御帳台の中で貴方がもぞと動き、貴方は大きなため息をつく。
「ああ、もうこんな時か…舞との夜は過ぎるのが本当に早い…」
光源氏こと光秀中将様は、一夜を共にした末摘花と呼ばれる私にそめそめと話し掛ける。
「舞は本当に愛らしい…噂とは本当に当てにならぬものだな」
「それは私にはわかりませんわ。でも私は光秀様がお越しになると嬉しゅうございます」
私は世間が、私の事をどう言っているか、なんて知らないわ。
でも、どうも、私の顔は細長く、頬はこけ、鼻が垂れさがり先端が赤い、だから末摘花という仇名を付けられているみたいなのよね。
でもそんなのはどうでも良いわ。
だって私は、光秀様がいらしてくださるだけで充分なんだもの。
光の君と言われる光秀中将様、このかたがいらしてくださるまで、私は殿方という殿方全てが怖かったわ。
だって落ちぶれた私の屋敷に客が来るなんてまずなかったし、殿方がいらっしゃる事は更に勿論なくて、私は殿方の姿をちらりと見るだけで倒れそうになってしまっていたの。
でも何を間違えたのか、光秀様が私を訪問され、そして私の姿をかいま見、光秀様曰く『噂と実際の姿が違う』私をお気に召し、私のところへ通ってくださるようになった。
光秀様との夜は、そんな世界がある事を知らなかった私に、ときめきをくれたわ。
光秀様の手が私の下袴の紐を解き、私の髪をなでながら、私のからだに触れてゆく。