戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第44章 愛を探す ―政宗少将&姫―<R18>
だから中臈には手は出さねぇよ。
俺は気付かぬふりをしてその場から離れた。
そして舞侍従を探す。
私室になっている廂の間を覗きにいくが、同室の女房がお楽しみ中だったぜ。
おいおい、陽の高い時分からお盛んだな。
まぁ俺も人の事は言えんがな、ははっ。
その時、柔らかい萎えた衣擦れの音が、どこからか静かに聞こえてきた。
この独特の歩き方、そして、俺にはごまかせない、少し甘めな侍従の香。
舞侍従、見付けたぞ。
俺は香ってくる位置を特定させる…俺は鼻が利くのでこういうのは得意だ。
そして俺とは反対側、寝殿の奥から廂のほうに来るのを確認し、近くの廂の間が無人なので入りこみ、舞侍従がゆっくり移動してくるのを待つ。
あの香りが漂ってくる。
すぐ側に衣擦れの音がするのがわかった途端、俺は几帳を引き上げ、舞侍従を抱き寄せ、そのまま廂の間に引き込んだ。
「ひっ…っ!」
声に出せない悲鳴を上げ、舞侍従は俺に引きずられた。
「俺だよ、舞」
全くこのおんなは、どれだけ俺を惑わせるんだ。