第42章 戦国源氏のくりすます　―安土城戦国源氏―

「そうなのか！？」

秀吉は思わず声を荒げる。

「そうすると帝が女人がたに贈るものは相当吟味しないとならないという事か…」

「はい、そうなりますね」

ひとごとのように三成は言う。

そのひとごとな言い方に秀吉はためいきをつき、自分がそれを探さなくてはならないと思い知る。





そして、秀吉はくりすますの準備を始める。

女官達に絵を書いて説明し、いろいろな色の紙を切って飾りを作ってもらう。

「悪いな、おまえたちに手伝ってもらわないと、支度が終わらないんだ」

女官達に支度を手伝ってもらう事に礼を言うと、女官達が微笑みながら言う。

「秀吉少将様のお願いなら何でもお受けいたしますわ。でも、後で何かご褒美を頂けると期待してよろしいのでしょう？」

「おいおい、俺からおまえ達に礼をしなきゃならないのか？仕方ないな」

同時に調理人に特別な料理を作るよう依頼する。

勿論珍しい材料はこちらで用意しなければならない。

「ああ、雉は鷹狩りに出て捕まえてこないとな」

秀吉がぶつぶつ独り言を言っていると、後ろから低く艶のある声がした。

「秀吉、手伝うか？」