戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第41章 燻る逢瀬 ―三成源氏&花散里―<R18>
私は光る君と呼ばれる中将の三成。
久方振りに麗景殿の女御様の妹君、舞姫に会いに行くところです。
「舞姫、遅くなりました」
姫から文をもらったのが数日前。
是非ともお目にかかりたいので、公務が落ち着かれましたら、お越しくださいませんでしょうか、と逢瀬のお誘いに、女人をお待たせしてしまった自分の未熟さが恥ずかしく、なかなかお返事が出来ませんでした。
ようやくお返事し、こうして会いに参りました。
まずは女御様にご機嫌伺いをしましょう。
「公務繁多の為、なかなか女御様へご機嫌が伺えず、大変申し訳ございません」
「ほほ…お気になさらずに。光る君様がお越しくださるだけで、ありがたいですわ」
おっとりと女御様は、女房を介せず、直接私にお声を掛けてくださる。
本来女御様ともなれば、いくら帝の息子であっても臣下になった私に直接話し掛けるなぞ有り得ません。
しかしながら麗景殿の女御様は、ご自分が権力争いから外れていられ、更に帝の愛情が藤壺中宮様に注いでいらっしゃるのをご存知で、ご自分の寂しい立場から身分を気になさらずお声掛けくださっているのです。
そしていくつかの言葉を交わし、女御様は促してくださった。
「三成中将様、妹が待っております。是非お会いになってくださいませね」
「はい、勿論そのつもりです」
そして、女御様の前を失礼し、舞姫の許を訪れる。