戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第39章 友 ―秀吉少将&光秀中将―
その時の二人はもつれて倒れ、秀吉があおむけに寝転がり、その上に光秀が覆いかぶさるようにいた。
「あ、おい、こら、誤解だ!」
秀吉は寝転がったまま叫ぶ。
「ふ。この誤解も面白いかもな」
光秀は面白そうにのどを鳴らして笑う。
「おい!俺は面白くない!」
秀吉は怒るが、狭い宮中、おかしな噂ほど、あっという間に広がる。
「まぁ秀吉少将様よ。女人との噂を聞かないと思っていたら、光秀中将様と恋仲だったんですって」
「うそ!光秀中将様に憧れていたのにぃ」
「お二人ってそういうご趣味だったの?」
おかしな噂は帝の耳にも入る。
「光秀と秀吉はそういう仲だったのだな」
「…さぁ?」
笏で口元を隠し、表情をけどられぬようにする光秀は、笑いをこらえるのに必死だった。
「もう、立ち直れん…」
帝にすらおかしな噂を肯定され、頭を抱えてがっくりする秀吉は、光秀に仕事の事を聞く事がとうとう出来ずじまいだった。
<終>