戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第39章 友 ―秀吉少将&光秀中将―
…ったくなんだってあいつはいつも一人で動くんだ、秀吉はそう思いながら少し先を歩く貴公子へ声を掛ける。
「光秀中将」
光秀中将と呼ばれた貴公子が声の方向へ振り向く。
「…なんだ、秀吉少将か」
銀色の髪を持ち、黄金色の瞳の貴公子が振り返り、友の顔を見てふっと笑う。
呼んだ貴公子もこげ茶の髪に少したれ目なこげ茶の瞳。
二人とも無駄に美貌の持ち主だ。
「どこへ行くんだ?」
秀吉が光秀に尋ねる。
「…それは聞くだけ野暮ってものだろう?」
ミステリアスな笑みを浮かべ、うやむやにする気満々な光秀に、秀吉は更に問いかける。
「おまえなぁ。おまえが黙っておんなのところを訪れるとでも、俺が考えていると思うか?」
おや、という顔をして光秀が問う。
「違うのか?」
秀吉はいい加減にしてくれ、といった体で肩をすくめる。
「おまえが一人でこそこそ動いてるのを知ってるんだよ。いったい何を画策しているんだ?」