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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第29章 紫の巻―義元中将-<R18>


あの春の夜に愛した美しい婀娜めいた尚侍は、義元中将によって本来の道を断たれ、一女官で人生を終える事を定められてしまったものの、心底の愛を注ぎ込む朱雀帝の真摯な愛に気付き、今は朱雀帝を自分の愛する人とし、朧月夜の逢瀬を楽しんだ義元中将との再会に密かに怯えていた。

そう、再会して、もし、その婀娜な心が再燃したら?

また、義元中将に抱かれたくなってしまったら?

葛藤の中、朱雀帝の優しい心が朧月夜の闇を押し開き、尚侍は義元中将の求めには応じない事を決断する。

決断はするが、しかし、柔い心の持ち主で、たやすく流される尚侍に守れるものなのか?



東宮は元服し、御代(みよ)が替わり、冷泉帝として帝位に即いた。

この冷泉帝の補佐、つまり摂政の話しがあった義元中将だが、葵の上や頭の中将の父親が息災でいられる事からこのかたを太政大臣として政に復帰し、政務を行う事を裏で画策した。

また、頭の中将として義元中将と仲の良かった男には、たくさんの子がおり、この冷泉帝と釣り合う娘もいた為、この娘を父太政大臣の養女とし、そこから弘徽殿女御として入内した。

義元中将には手駒がなく、この時点で自身の子は、故葵の上が産んだ夕霧一人。

否、もう一人、口の端にのぼらせるのが憚られる、禁忌の子。

藤壺中宮が産んだ冷泉帝が、秘密の義元中将の子。

明石のおんなが娘を産み、義元中将は人相を見る者から言われた事を思い出し、気付く。

『明石で産まれた娘は、将来の皇后となるべき娘だ』
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