戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
蘭丸中将から、母更衣を早くに亡くし、父帝の女御がたに囲まれていたものの、自分は愛されて育っていない、だから自分を愛して欲しいとねだられ、舞は困惑する。
『蘭丸様は、私を母として求めていらっしゃるのかしら?』
からだをねだられ、つい、許してしまったものの、後から考えると疑問が残る。
『蘭丸様はいったい誰を、抱いているつもりになっているのかしら?』
舞は自分を通して、別な女人を蘭丸中将が探している事に気付いている。
ご自分のお住まいの二条に、女人を住まわせていると聞いたことが有るものの、噂ではそのかたはまだとても幼くて、夜のお相手になるご年齢では無いらしい。
すると正室として迎えられた葵姫かと思うけれど、彼女も少し年が上なだけ。
蘭丸様のあの陶酔されたお顔と甘える様子を見る限り、私くらい年が離れていて、それも更に高貴な女人を求めていらっしゃる。
まさか、と舞は、思い浮かんだ女人の名前を打ち消す。
「中将の君、真白の君、二人ともようやく戻ってこられましたね」
舞は里下がりからようやく戻った二人を、早速御前へ呼び寄せる。
人払いしている為、他に女房はおらず、三人で気楽に話す事となった。
「長く留守を致しまして、申し訳ございません」
中将の君が挨拶し、真白の君も一緒に頭を下げる。