戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
蘭丸中将が感極まって蕩ける声をあげる。
堕とすつもりが堕とされて、蘭丸中将はすっかり舞のとりこになっていた。
「ずるいよ、舞様、黙っていてさ。俺、すっかり舞様にやられてるんだけど」
「…何を言ってるのかしら、蘭丸様は。そういう人程、すぐ、私に飽きて、他の姫様に夢中になられること、間違いないですわよ」
ふふ、と挑むように舞に微笑まれ、蘭丸中将は元東宮女御の実力も知る事となる。
『うわ、さすが元東宮女御。迫力がその辺の女人と全く違うな。でもそんな女人の手管に参ってしまったのも、俺には事実だから、その裏と表の違いがたまらないな。
そんな御息所の心を俺でいっぱいにしたいな…いや、絶対させてみる』
蘭丸中将も可愛いと女人達から言われる満面の笑顔を作り、舞に言う。
「そんな事言っても無駄だよ、俺にとっては舞様は可愛い女人なんだから。
どうやったら舞様の心の中が、俺だけにならないかな?」
蘭丸中将の甘い誘惑に、舞は流されまいとする。
「駄目よ、そんな可愛い事を言っても。私は貴方よりうんと年上なんですもの。
蘭丸様にはふさわしい姫様がたくさんいらっしゃるのだから、私のような者を相手にしてはいけません」
「俺は年上のおねえさまが好きなんだけどなー」
「私はこれ以上蘭丸様の相手をするつもりはありません」
「そんな事言わないでよー舞様、俺、寂しいなぁ。ねえ、聞いてよ、舞様。
俺、早くに母上や婆様を亡くして、父帝の女御様がたに囲まれて育ったんだよ。
だからみんな俺を興味深くは見るけれど、愛情をくれたかたはいなかったんだ。
だから俺、年上の女人から可愛がってもらえるとすっごく嬉しいんだけどなぁ」
蘭丸中将のあざとい甘え攻撃は続く…