戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
真白の君のきっぱりとした断りかたに、蘭丸中将は内心舌打ちする。
『普通はこうしてモノにした女房は、なんだかんだ言っても最後には女主人の許へ俺を連れ込むはずだぞ…?なのに、この女房は何だ、どうして俺を御息所の許へ案内しない?』
蘭丸中将はあくまで優しく甘く、真白の君に懇願する。
「ねぇ、真白の君、貴女は何か誤解してないかなぁ。俺は御息所と一時の遊びとして会おうなんて思ってないよ。おとなの、憧れの女人として、御息所に会いたいんだけどさ」
蘭丸中将の言う事に頷く真白の君だが、やはり断りを入れてくる。
「それはそれ、ですわ。私には蘭丸様が御方様をずっと愛してくださるとは思えませんもの。
当代第一の女人と言われる御方様に手を出して、御方様の愛人となる事を自慢したいだけじゃありませんの?」
檜扇を広げて、片手で扇の端を弄びながら、流し目で蘭丸中将を見て、ずけずけと言う真白の君に、蘭丸中将はたじたじとなるものの、それでも口説くのは止めない。
「そんな事ないってば。俺に限ってそんな失礼な事、する訳ないでしょう?
真白の君だって一晩良い思いしたし、これからだって俺とシたければしてあげるよ…」
蘭丸中将はずいと真白の君に寄り、檜扇を持つ手に自分の手を重ね、もう片方の手で腰を抱く。
蘭丸中将の瞳は妖しく揺れ、真白の君の耳から頬にかけて舌をゆっくり這わせ、そのまま首筋まで舐めてゆき、真白の君が甘い吐息をつくのを逃さなかった。
「…ほら、悪い気はしないでしょう?これだけでもう貴女のからだは、俺に抱いて欲しくなっている…」
「ですから、これはこれ、ですわ…」