戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第23章 女三ノ宮の巻―信玄中将-<R18>
信玄中将は首を傾げた。
どこが自分の愛し方と違うのだろう?
確かに衛門の督の愛撫が性急で激しさはあるが、愛撫の濃さや手管なら自分のほうが確実に上だ。
睦み合う二人を覗いていて、しばらくして信玄中将は気付く。
『ああ、そういう事か…』
舞は、自分で自覚はしていないものの、衛門の督に恋をしている。
『甘えた色っぽいその表情は、俺には見せていない』
快楽へよがる蕩けた表情なら信玄中将も見たが、そこに含む、慕う相手に見せる甘えを含んだ媚びは自分には見せていない、と気付く。
『好きな相手なら一緒にさせてやるのが良かった。
父帝は、今回ばかりは娘可愛さに俺に預けて、失敗したとしか言えないな。
しかし…こうなると俺が今後、舞に手を出す訳にはいかなくなるが、どうしたものか』
自分の知らない恋心を、信玄中将に知られた舞は、衛門の督に抱かれて嬉しそうだ。
信玄中将が手を引けば良いものの、全く手を出さなければいつか舞が孕んだ時、俺が相手で無いと周囲に気付かれてしまう。
衛門の督も妻が居る身で、舞だけ孕ませてしまい、子が生まれてしまったらどうするのか。
信玄中将はどうしたものか、これ以上見ていられない、とその場をそっと離れた。