戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第23章 女三ノ宮の巻―信玄中将-<R18>
しれしれと舞は、他の殿方とスる訳には参りません、と演技する。
しかしそう言われて引き下がるような衛門の督ではない。
熱情を感情に含ませて、舞を口説く。
「おっしゃる事はよくわかります。
しかし父帝様は、俺を輿入れ先の一人として、お考えくださった事がある、と聞いております。
と言う事は、俺をお認めくださった。
ですから、俺を舞様のお話し相手の一人として、加えていただくのは可能ではないでしょうか」
「でも私の目の前にいらっしゃるって事は、少なくともお話し相手はありませんでしょう?」
舞に言われて言葉に詰まる衛門の督は、一瞬の間を置いて悔しそうに続けた。
「さようです。では、ここから出て、御簾のはるか遠くから、舞様とは女房を通してお話しする事に致しましょう。それなら良いですか?」
そんな事をされては、舞の計画は失敗になる。
内心慌てて、でも見た目はそんなそぶりを見せずに、舞はよよ…と袖を目のあたりに当てると、泣いていると勘違いした衛門の督は、更に舞に近寄り、手のひらをそっと舞の頬に当ててきた。
「…舞様、お泣きになっているのですか?それはどうしてですか?」
舞は頬を触られるのが嫌とばかりにからだをくねらせて、わざとよろけた振りをしてそのまま横たわった。
覆いかぶさるように、衛門の督も半ば横たわり、抑えられない情熱が下袴の紐を解く。
衛門の督のほとばしる愛が、舞を襲う。