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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第19章 玉鬘の巻―政宗中将-


しかし最終的に、恥ずかしい事にわたくしの長男以外の息子達がその権力者におもねるようになり、逃げるように京へ参りました。

そして、紫の上様に仕える、元、夕顔様の女房、右近殿が石山寺詣での際、偶然同室になったのが舞様で、姫様をお探ししされていた右近殿は大層喜ぶとともに、舞様の鄙育ちとは思えぬ美しさに喜ばれていらっしゃいました。

政宗様は、舞様をご自分の娘としてお引き取り下さり、舞様をどこにお置きくださるか、お考えくださったと後で伺いました。

春の町は人も多く、わずらわしく、秋の町は静かで良いが、中宮様の女房と間違われる可能性が高うございます。

と、なると、夏の町、花散里様に預けるのが一番かとお考え下さり、夏の町の西の対は文殿(ふどの)として使われているのを書物を移動させ、そこを舞様の部屋とする事になさった、とありがたい処遇を伺いました。

舞様の住む西の対は、若い娘にふさわしく、今風の贅沢な調度で飾られました。

そして、私共を京へ連れだしたわたくしの長男は一番褒められる立場であり、長男は西の対の家司の一人となり、そのうちしかるべき官職も下される旨、政宗中将からいただきました。

そして舞様が引き取られた夜、政宗様は早速夏の町へ、姫様に会いにいらっしゃいました。

政宗様は、ひっそりと座る舞様の姿を見た時、過去に愛した夕顔様の面影を見付けたそうでございました。

夕顔様は、ただ、ただ、たおやかで婀娜っぽうございましたが、舞様は、夕顔様に父である頭の中将様の血を受け継いたのか、意志のはっきりした顔立ちをしていらっしゃいます。

政宗様がお贈りくださった綾で仕立てた装束を纏う姿は、鄙びたところが全く感じられないとの仰せでございます。
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