戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第13章 葵の巻―光秀中将-<R18>
几帳をひきあげて、私のところへ音も無くいらした。
音もなくいらした姿に、今迄、いろいろな女人とお付き合いがさぞお有りになって、仕草の一つ一つに余裕を感じるのは考えすぎかしら?
それを思って、扇で顔を隠し横を向く私に、光秀様は余裕の笑みを浮かべ、私から扇を取り上げる。
「あ…」
「俺達の間に、こんな隔ては不要ではないか?」
そして光秀様は私を抱きすくめる。
「早く…こうしたかった…」
光秀様は私の耳元で甘く囁かれ、そんな事、そんな風に、言わないで…
恥ずかしくて、素直になれなくなってしまう。
益々顔をうつむかせる私に、光秀様の指が顎をすくい、私の顔を上向かせる。
「ほう…」
光秀様のお言葉が全てを物語る。
「おまえはこんな可愛い顔も出来るんだな、舞」
可愛い顔ってどんな顔?
私はわからなくて、顔を背けながら抵抗するように言う。
「可愛い顔とおっしゃられても、私にはどういう顔なのかわかりませんわ…」
「今のおまえの顔が、とても可愛いのだ、俺だけにその顔を見せろ…」