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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第1章 夕顔の巻-政宗中将-<R18>


政宗中将は退屈だった。

臣籍に降りたものの現帝の二男というたいそう高貴な出自と光輝く美貌、歌や舞にも長け、手にいれられぬものは何もない、誰もがうらやむ境遇。

おんなにも全く不自由しない。

自分がちょっと声を掛ければ、おんなは皆、すぐなびく。

「本当の俺を知り、愛してくれる女人(にょにん)と知り合いたい…」

専らの願いはこれだ。

見た目でない、本当の政宗中将を知って、恋をしてくれるおんなとめぐり逢いたいのだ。



脇息に左肘を乗せ頭を左手で支え、右手で持った扇をぱちりぱちりと鳴らし、考え事をする政宗中将。

そんな気取らぬ姿すら麗しい、と周りに控える女房達は心の中でためいきを漏らす。

「惟光(これみつ)」

腹心の従者を呼ぶ。

「はっ」

すぐ近くに控えて、呼ばれるのを待っている従者が簀子(すのこ)に控える。

「乳母の具合が悪いと聞いた。見舞いに参る」
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