第6章 俺の居場所 立海r陣
幸村『あああぁぁぁああぁあ!!!!!!!!』
俺は、胸を押さえて泣く。
なんで、なんで、俺なんだよ!
みんなと、テニスしたいだけなのに!
全国に行きたいだけなのに!
ねぇ、なにか悪いこと、した?
みんなが、みんなが、先に走っていってしまうような感じがする。
ねぇ、待ってよ。
俺を置いていかないで。
……真田
……蓮二
……赤也
……丸井
……仁王
……柳生
……ジャッカル
俺に気付いて!
置いてかないでよっっ!!
俺は、一筋の涙を流しながら瞳を閉じる。
―真田side―
トントンッ
真田「入るぞ?」
幸村に『帰れ』と言われ数日後。
俺は一人で、幸村の病室の前に来ていた。
また、帰れと言われたらどうしよう?
そんな不安な気持ちを抱きながら、行く。
……返事はない。
あのときと同じだ。
俺が、病室へ入ると幸村は、一筋の涙を流しながら寝ていた。
あぁ、俺たちよりも一番辛く、不安なのは幸村じゃないか。
それを俺たちは分かってやれてなかった。
なんたる失態。
俺が目を覚ますと、真田の声が聞こえた。
まだ、俺は目を閉じたままだ。
真田が俺の頭を撫でてくれている。
真田の手は大きくて、なんだか
……心地良い。
真田「すまない、幸村……」
なぜ、君が謝るんだい?真田?
真田「お前の事を、ちゃんと分かってやれていなかったな。」
そんなことない。俺は、皆がいるだけで、安心していたのだから。
真田「俺たちは、お前の帰りを待ち続けている。」
幸村『さな、だ……っ』
俺の目からは涙が大量に出てきた。
目を開けると、そこにはアワアワしている真田。
幸村『真田、ありがとう』
俺は、泣きながら微笑む。
真田は、目を見開き「あ、当たり前だろう!?」と、顔を真っ赤にしながら言った。
真田「お前がいなければ、立海は成り立たないのだから!」
幸村『ふふっ、そうだね。
俺も頑張らないと』
真田「そうだ!苦しければいつでも聞く。
寂しければいつでも側にいる。
それが仲間だ。
何でもかんでも、一人で抱え込むんじゃない。
苦しそうにしているお前を見ると、皆の心が重くなる。
みんなで、苦しみを、寂しさを分けたほうが、一人一人の苦しみが、楽になる。」