第12章 霜月と…。
霜月家に滞在して3日目。
私はまたピアノを弾いていた。
月の光とか別れの曲とか。
バラード調の曲を幾つか弾いていた。
無心で。
気が付くと目の前に隼がいてただじっと私を見つめていた。
『隼…?あっ…。』
ようやく気がついた、自分の頬を伝う涙に。
「まるでなにかに囚われるかのように、悲しい音色を響かせていたね。
流那、ここの生活は慣れないかい?」
『っ!そんなことないよ!』
心配をかけまいと明るく振る舞ってみたが逆効果なのはわかっていた。
「流那…。」
隼は優しく私を抱き締めた。
「僕が至らないばかりに、寂しい思いをさせてしまってるのかな…?
それともなにか不満なことがあるのかな…?」
私は否定も肯定もできなかった。
正直よくわからなくて。