第10章 子供と始とSix Gravity。(前編)
そんな愉快なやり取りをしていると三人のスマホ画面にグループLI〇Eの通知が表示される。
『っと、グル?葵からですね?』
【始さん、春さん、流那ちゃん。
今〇〇〇のショッピングモールに居ますよね?
一部の始クラスタさんにバレてるみたいでSNSで情報が出回ってて…
急いで帰ってきた方がいいかもしれないです。】
「まじか…。」
『春さん、本屋はまた今度ですね。』
「うっ…そうだね。」
カフェを出る準備をしながら春さんとヒソヒソと話す。
「いや、春。
お前だけは本を買って普通に帰ってこい。」
「えっ?」
「葵の情報によると"俺のファン"が情報の共有をしているらしい。
つまり追われてるのは俺と考えるのが妥当だろう。
だから春、お前だけは別行動をとっても問題はない。」
「俺だけって…流那ちゃんは?」
『私と春さんはドラマの共演中だから、わたしと春さんが一緒にいたとして、それをファンに気がつかれて拡散されたとしたら一般人と付き合ってるだのなんだの噂が立ちますよね?
そうなるとマスコミが面倒ですからね?』
ちなみにだけど私の変装は普段のふわふわしたりクールなイメージとは真逆なボーイッシュファッションに短い系の黒髪ウィッグだから全くの別人と言っていい。
だからこそ春さんとの行動は不味い。
「そういうことだ。
春、気を付けて帰ってこいよ?」
「了解。」
『また寮で!』
会計を済まして二人でそっとカフェを出る。
しばらく歩いていると情報通り4、5人の始クラスタと思わしき人たちがついて回ってくる。
「寮につくまでにうまく撒けるか…?」
『最悪私が囮になります。』
「それだけは避けたいがな。」
歩くこと五分、少し広い公園にたどり着いてとりあえずほんの少しだけ休憩することに。
「流石にしつこいな…。」
『恐るべし…始クラスタ…。』
少し疲れてため息をつく。
しばらく始クラスタの様子を伺っていると突然声をかけられた。
「流那ちゃん?」
『へっ?!』
何事かと思いパッと顔をあげると懐かしい顔。
『お、お母さん?!』