第10章 子供と始とSix Gravity。(前編)
「要りものはこれで全部か?」
買い物袋を片手に持った始さんが問いかけてくる。
『はい!
ありがとうございます始さん、春さん!
とても助かりました。』
ここはショッピングモール。
化粧品とかタオルのような消耗の激しい日用品や洗濯洗剤などそろそろ買いたさないと危なかったので、一人で出掛けようと思った矢先に始さんに止められてなぜかこのような形で出掛けるはめに。
嫌な訳じゃなくて申し訳なくて。
「あとは…春、お前本屋に行きたいとか言ってたか?」
「うん、少し時間かかるけど大丈夫?」
「少しって、どのくらいだ?」
「30分くらい?」
「長いな…。」
『確かに。』
「じゃあその前に少しだけお茶でもしていく?」
「そうだな、折角だしそれもいいな。」
『私が連れ回しちゃってますし荷物持たせちゃってるし、休憩は必要ですよね。』
「いや、無理矢理引き留めたのは俺だ。
それに女性に荷物を持たせたままなのは男としては気が引けるからな。」
「まあそれは確かにね。」
と3人で近くのカフェに入る。
一番影になりやすい奥側の方の席を選びそれぞれ注文を終わらせる。
「それにしても平日だと言うのにすごい人だな。」
『ほんとですよね。
まあほとんど主婦や小さな子供連れが多いですし普通なのかもしれないですけど。』
「一応変装はしてるけど、学生達が集まる時間帯になる前には出ないとだね。」
『見つかったら大騒ぎですからね。』
そんな話をしているうちに注文した品が運ばれてきてそれぞれ頼んだものを受けとる。
『でも春さんって、女子高生より主婦の方が人気ありそう。』
「えっ、なんで?!」
『春ぺディア的に。』
「ええっ?!」
「グフッ!!」
始さんが小さく吹いて吃驚する。
『始さん?!』
「すまない…あまりにも唐突すぎて…堪えきれなかった…。」
笑いを堪える始さん。
なんだか新鮮。
「始まで!酷いなぁ…。」
相当ショックなのか俯く春さん。
『いや、だって春さんもの知りすぎて主婦の知恵になりそうじゃないですか?
ここの汚れはこうするとこんな簡単に落ちます!
とか言いそうじゃないですか。』
「言わないからね?!」
「っ…ふふっ…。」
始さん大ウケだし。