第9章 歌詠鳥が啼く頃に。(春ルート)
誰一人予想していなかった。
私に目掛けて。
野球ボールが飛んでくることに。
「!!流那!危ない!!」
春さんが気がついたときにはもう手遅れだった。
私の頭に強い衝撃があって。
その場で倒れ込んでしまう。
「流那!」
春さんが駆け寄ってくる。
「月原さん!!」
「誰か!救急車を呼べ!!」
撮影スタッフが慌てている。
(あれ…?今誰かに抱きあげられてる?)
「流那!しっかりして!流那!」
(春さん?)
(おかしいな…なんだか…春さんじゃないみたい…。)
(あぁ、なんか懐かしい…。)
(昔…誰かの…顔が……こんな感じで私を見ていた…ような…。)
そこで私の意識は途切れた。